節約なのか、ささやかなのか、生活

photo and styling by 平野鈴 Blog

最近Twitterでお金の話ばっかりしてない?
ね。ほんとうにそう。

特にナウミュの予算組や管理、そしてきちんと大赤字。からの渡英による出費、来たら来たで円安が進み送金したくなかったので、先月なんて家賃以外の生活費は£300=54,000円で過ごした。割と節約を強いた日々でした。

日本の贅沢方法はたくさん知っているから、あそこの飲み屋行きたいなとか、好きな古着屋さん、交際費やらスーパー銭湯、舞台、節約をしているつもりでも、なんだかんだ誘惑が多かった。でも最近、割といろんなことを手放しても大丈夫だと気が付いた。

僕はお洒落さんで通っている。(ということにして)
だけど、お洋服の所有欲はあまりない。
誰かにスタイリングしてもらって、作品を作るような「衣装」は好きだけど、普段のお洒落は着心地の良さと精鋭のルーティンで大丈夫だし、何よりロンドンにはほとんど持ってこられなかった&持って帰れない。前は定期的にトークイベントとかもあって、晴れ着が欲しかったりしたけど、イベント用にはリースでもいいかもと思っちゃうし。

ロンドンは外食費がとにかく高いので基本的に手を出さないようにしているし、栄養を満たす料理は作れてるから、食事もどうにか。舞台は惜しみなく観に行っているけど、一番安い席なら£15=2,800円で観られるから、日本より安いかも。高いのは高いけど。あとすごいのは、UKの図書館で電子書籍も借りられること。audible的なオーディオ本まで。流石に完璧に理解はできないけど、だいたいの意味はわかるから最近は「サピエンス全史」を聴いている。語り口が鮮やかで面白いけど、かなり漠然と論を繋げていたり、査読が足りていないジャンクな所もある本なので、僕には流し聴きが丁度良い。でもこういったベストセラーに染色体で分かつ「性(sex)」と社会生活を送るための「性別(gender)」は異なる。と、明確に書かれているのは助かる。とまあ、流石にもう少し余裕のある生活をしたいけど、なんというか「文化的な生活」を送れているなと感じる。

この間の贅沢

そんな時に竹田ダニエルさんの記事「生産性」に回収されない、ヘルシーなセルフケアとは?を読んだ。あれ、もしかしたら今の僕は、節約というよりも無理をせず、自分を大切にするためのセルフケアの一部なのではと。

今はロンドンで時給制のウエイターをしているから、もっと多く働けばお金は手に入る。だけど、その分自分の時間が無くなってしまうから、まず多くを求めないことによって、自分の時間を確保して、思考したり学んだり、体験したり、ゆっくり寝たりできている。竹田ダニエルさんと同じく、僕もかなり寝る時間が必要で、基本的に8時間は寝たい。何度もショートスリーパーになれないか挑戦したけど、体調が悪くなるだけだった。悔しいけど、折り合いをつけるしかない。

ただ、これは、資本主義についてや、お金を稼ぐことについて学べば、もう少しましになって、今はただ社会のシステムに組み込まれている死くずなだけかもしれないし、割と時給の高いバイトを見つけられたラッキーと肉体労働できる体力があるという特権の上での話だし、老後の資金どうすんだみたいなのを全無視している最中なので、このライフスタイルを誰にお勧めするわけでも、ずっと続けようと思わないんだけど、なんとかささやかに生きています。
目指せ、少しは募金できる生活。あと、人間ドッグにも行きたい…歌のレッスンとかを受けようと思うとゴリッとお金が減るし、プロデュース公演やろうと思うとそれはそれでまた…うう……あれ?