「What brings you to London?」とたくさん聞かれる。直訳すると「何があなたをロンドンに連れてきたの?」みたいになるんだけど、素直に「どうしてロンドンに来たの?」と訳すと、自分の中に答えがある感じになるのに、英語そのままの意味だと、目的が自分の外側にあって、それに導かれた。みたいな印象があって、ちょっと好きなフレーズ。
たぶん「そもそも」を10回くらい用いらないと語りきれないほどだけど、はじめて海外に行ったのは18歳の頃のニューヨークで、その時はマジで衝動で行ったので荷物検査の時に初めて、あれ、飛行機乗るの初めてだし、海外も初めてで一人旅ってヤバくない?!と、号泣したのを覚えています。でもその後はケロッと、ダンスのレッスンを受けたり、ミュージカルを観たり、現地の公園でパフォーマンスをしたりした時に「あれ、ここで生きていけるな」と感じて、じゃあここにはいつでも戻ってくればいいから日本で頑張ろう。と、謎の自信をつけて帰ってきました。
尊敬している友人がロンドンの大学に通っていたので遊びに行った10年前が初めての英国。ちょうどその頃もポンドが高かったのもあって、何するのも高いし、ニューヨークほどオープンじゃない感じがして、実はロンドン自体に強い思入れはありませんでした。そこでみたPunch Drunkの「The Drowned Man」に心を奪われたり、なんとなく人との距離に一線がある雰囲気の居心地の良さは覚えています。
コロナ禍あたりから、漠然と海外でも活動してみたいなと思って、YMS(ロンドンのワーホリビザ)やDiversity Visa(アメリカのグリーンカード)に応募しては外れたり、ちまちまと英語を学んだりしていました。端的に言えば、そのYMSがナウミュの制作でくそ忙しい2023年1月20日に当選しちゃったから、ここにいます。英語の勉強もしたいし来年が良かった…とか思っても、次いつ当たるか分からないので(2024年から先着順になりましたが)、大急ぎで事務所に相談したり、英語を勉強したりして準備を進めました。
こうやって振り返ると、後から理由をつけているかも。2022年くらいからガッツリと人生の新たな章が始まったなという感覚があって、それについてゆっくり考えたいこと、ロンドンの演劇界が割と好きだから、その近くで流れも含めて学びたいなという気持ち、あと、こんな冒険はそろそろしづらくなってくるだろうなという勘もあります。え、結局、勘じゃん。だって1994年4月20日11時52分生まれの牡羊座で月星座は獅子座のENFJなんだもん~~!(各自、占いよろしくお願いします)
さてさて、もう4カ月も経ったので今度は「お休みの日は何してるの?」と聞かれるように。劇場か、バイト(Survival jobというフレーズも好き)か、家で読書、友達と話す。ほぼそれだけ。往復1万円でスペインとか行けるのにロンドンから出てもないし、大英博物館すら行ってない。パンデミック前は毎日どこかに出かけないと気が済まない人だったのに、今では一日引きこもれる日は小躍りしちゃう。超贅沢って思う。
この日々が、休息になるのか、成長になるのか、進歩になるのか、まあそれは振り返った時に好きに選べばいいと思うけど、多分「ロンドンに来たから」だけじゃない自由と、ちょっとタブララサな精神を噛み締めています。
これが1そもそも。です。
じゃあ、あなたは何に導かれてここに?