過酷なロンドン部屋探し

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ロンドンでのおうち見つかりました!

いやー、本当に大変でした。現在の英国ではインフレや税制度の改革、そもそも住宅が少なすぎる。などの理由で一つのアパートに20人以上の内見希望者が集まり(The Guardian Tuesday briefing: How the housing crisis is hitting tenants hardest)、2023年5月までの1年間で5.1%も家賃が向上(Index of Private Housing Rental Prices, UK: May 2023)、例えるなら8万円の家賃が1年で84,000円になるほどです。英国人ですら家探しが大変とのこと。

おうち探しが大変というのは聞いていたし、物価も高く円安も進んでいるので、心構えはたくさんしていたのですが、かなりきつかったです。ちなみに一人暮らしをしようとすると1Kでも軽く20万円とかかかるので、フラットシェアと呼ばれるお家の中のお部屋をお借りすることにしました。

大変だったポイント

  • 内見して気に入ったら即日~翌日朝までには、決めて前払い金(deposit)を支払い、すぐに住み始めなくてはならない。しかも売り手市場なので選ばれる身。
  • お部屋の設備だけではなく、シェアメイトの雰囲気や周辺環境が大切なので、日本で決めてから行くことは難しい。地の利があったり、オンライン内見に対応してもらったり、紹介があれば、まだありうるかもしれないです。
  • とにかく高い。ちょっと前までは、シェアなら安ければ£450(81,000円 2023年9月現在 以下同)~£600(108,000円)で住める。という話だったのに、今は£600(108,000円)はお宝物件、£700(126,000円)なら安い、£800(144,000円)で普通みたいな相場でした。一部屋ですよ。
  • 物件情報にメッセージを送って内見の予約をするのですが、10通送って1件返信が返ってくれば良いほう。

内見を申し込むまで

在英の日本人向けコミュニティサイトMixbで探す方も多いのですが、日本人だからといって安心で気が合う!という保証も無いのと、そんなに良い物件が見つからなかったので、イギリスで一番ポピュラーなお部屋探しアプリSpareRoomを使用しました。仲介手数料とかは無いのですが、メッセージを早めに送ったりするための有料会員(一週間£11.99 2,100円)に登録して、事前に予約していたAirbnbの宿泊期間、一週間半以内に物件を探そうと決めました。

良さそうな物件を見つけたら、まずはメールをします。大体僕が送っていた文章はこんな感じ。

Dear XXX,
ーXXX様へ

Hello! My name is XXX, I came across your lovely flat #XXXXXX
ーこんにちは、XXXです。あなたの素敵なお家 #XXXXX(物件管理番号) が目に留まりました。
I’m staying in London with a working visa for 2 years from 9 SEP 2023.
ーロンドンに就労ビザを持って2年間滞在します。
Could you set up an appointment for a viewing?
ー内見の予定を決めさせていただけますか?

A little bit about me: I am a XX-year-old Japanese, working in the 〇〇 industry. Tidy, friendly and a non-smoker. I am currently looking for a room near by XXX.
ーちょっと僕のことを。XX歳の日本人で〇〇業界で働いています。きちんとしててフレンドリーでタバコは吸わず、XXX周辺で物件を探しています。

Thank you.
Name XXXXX-XXXXXX
ref#XXXXXX
ーありがとう。名前 電話番号 自分のプロフィール番号

物件紹介にこういうことを教えて欲しいとか、ちょっと面白い住人紹介とかをしている物件もあったので、それには追加でメッセージを足したり、自己紹介を変えたりしました。あと、銀行預金残高証明書を提出できますとか。すでにフルタイムジョブが決まっていたり、学生なら、もう少し返信率高いかもとも思います。とにかくあちらも死ぬほどメッセージを受け取っているので、特に個人の大家さんには興味を持ってもらえそうな文面を心掛けました。自動送信(bot)お断り。みたいな記述も見かけました。

多くを望んでられないのと、仕事先が決まってるわけじゃないので、アクセスのよい Zone 1~Zone 2(東京23区内くらいのイメージ)で、ベッドと机があって、キッチンや適切な数の洗濯機があること、同居人いい人そう、ある程度清潔、変なハウスルールが無い、最低契約期間が6カ月以下(暮らしてみないとわかんないことも多いので)、くらいで探しました。語学学校に通う人とかだったら、ロンドンよりも南に一時間行ったBrightonや、ManchesterやCardiffなど、ロンドン以外でまずは落ち着くのもありだと思います。

内見歴

まあそんなこんなで、ロンドン到着早々、時差ボケしつつ次々とメッセージを送ってみるわけですよ。でも一向に返信が来ない。来たと思ったら自動送信のお祈りメール。結局内見に行ったのは4件。内見希望を出したお家は51件でした。6日で。

2日目 最低な大家に遭遇

お部屋は必要十分。都心へのアクセスも良い。でもリビングとかから感じる負のオーラ。
大家と話していると「XXX人は嫌いだ。でも日本人は良い。さっき内見に来た日本人はXXX(セクハラ)だった」とか「ゲイやレズビアンはこの家に入れたくない」みたいな差別発言を当たり前のように繰り返してきたので、絶対にここには住まないと決め、物件を後にしました。さすがに酷すぎてSpareRoomに報告しましたが、証拠がない。録音でもしておくべきだったか。初っ端から、かなり折れました。同じアジア人の中でも特に差別や迫害を受けやすい地域の人とそうでない人がいるという現実にも直面しました。生まれる国なんて選べないだろうが!(とても強い怒り)しかし、こんな人は本当に少ないし、イギリス内でも嫌われているので、安心?してくださいね。

4日目 エージェントってどうなんよ

イギリスの住宅ローンの金利が上がってしまったことで、投資目的で個人が所有していた物件が手放され、不動産エージェントが買い占める。みたいなことが起きているようです。リビングルームも一部屋として貸し出し、最低限の家具だけ揃えて、雑に貸し出す。みたいな物件もあります。もちろん良いエージェントもいると思うのですが、全部屋空いた状態だから誰と住むかもわからないし、値段のつり上げを仄めすし、契約期間は長いしで、これ以降は避けることにしました。しかも土曜日の深夜3時とかにメール送ってくる英国エージェントなんて信じられない(笑)

この頃は内見のために1日10kmとか歩いていて、地形を知るには良かったけど精神的にすっきりしなかったので、どんよりしてました。そして、予算を£700から£800に吊り上げました。現実的だったと思う。

5日目 やっと素敵な内見

小さいけれど、綺麗で可愛いお部屋だった。ようやく安心できるような内見ができてウキウキしつつ、前途多難だったので、すごい緊張していて「あなたずっと笑顔で素敵ね」と言われ「いや、日本人の一部は緊張すると笑うんです」みたいな和やかな話ができたりもした。ただ、シェアフラットというよりはホームステイに近いような感覚で、3人の姉妹とそのパートナーや子供、彼氏と同居するお家。5ちゃいの子供と一緒に住んだこと無いもんなぁ…と思い、ちょっと考えたいと返信。帰りがけに「きっとまた会える気がする」って声をかけてもらえて、印象的でした。

6日目 絶対ピザ。いっつもピザ。

日本でいう「まいばすけっと」のような、コンビニのような、TESCO EXPRESSのパスタやパンが美味しく手頃と判明して、ちょっと調子が上がってきた頃、素敵なお家の内見予約ができました。

「大家兼同居人は役者をしていて、絶対ピザ。いっつもピザ。もう一人の同居人は、Netflixについて語ると止まりません。全部の番組。多分…アマプラとディズニープラスも」

こういうユニークな紹介文の物件は大体人気なので返信もらえたときは嬉しかった。ちょっと郊外だし、予算より高かったけど、自分の部屋が広く、使えないけど暖炉がある、素敵なお部屋でした。出迎えてくれた方がちょうど日本語を勉強してる。みたいなところから、話が盛り上がって、内見なのに1時間くらい喋りこんじゃいました。

その後5人くらい内見が予定されていて、その中から選ばれることに。絶対いけるでしょこれ!って思ってましたが、僕は選ばれませんでした。けれど、とても優しいメッセージが送られてきました。まあ、候補が他にいるなら英語がきちんと話せて、固定給の仕事に就いてる人のほうが安心はできるよなぁ…。

7日目 さて、どうするか。

この時が一番つらかったかもしれない。ちょっと自分の思考能力や感受性が低下するのがわかりました。自分が安全に暮らす場所を見つけられないと、こんなにも苦しいものかと呼吸すら浅くなっていることを実感しました。

返信を待っている間にもメッセージを何通も送ったけど、エージェントを避けたら返信率が低く、かつ、この後メッセージのやり取りして、内見して、決定を待つなら、泊まる場所も探さなきゃいけないし、仕事探しは遅れるし、でも住む場所は重要……。と、考えあぐねて、5日目のお部屋に打診してみました。ちょっと遅くなってしまったので、ダメもとだったのですが、なんと、待っててくれました!

ロンドンでお部屋を手に入れた!

そして、こんなお家に住むことに決まりました。正直、家族と暮らすことが心配で、細かくお家のことを確認したりしたのですが、誠実に返答してくれたことと「もし、質問や問題が生まれたら引っ越し後でも相談の場を設けましょう」という提案をしたら「私たちはいつも言い争いはせず、誰とでも最善の解決法を探そうとしています(We are not arguing in general, we are always trying to find the best solution for everyone)」と、返答してくれたことに信頼度がぐーーんと上がり、安心して引っ越しに取り掛かることができました。

家が決まったってことは、仕事探さなきゃ。っていうのは、またの機会に。

家探しの際に特に参考にさせてもらったサイト

在英日本人に聞く!イギリス家賃事情【YMS】
ロンドン 家探しで使う英語はコレだ!
ロンドンでの部屋探しが大変すぎた 小林弘幸

こういった情報にとても助けられたので、僕も記録を残してみました。それこそ夏目漱石が120年前にイギリス留学をして苦労したりしているという事実にすら励まされました。

イギリス生活御用達アプリ

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