大学受験期に舞台俳優としてのオファーがあったことや、学費は全然なかったことから、今日まで高卒を貫いてきました。とはいえ、主にフェミニズムやクィア・スタディーズから、人文系の本を読むようになったり、自分の研究したいことができてからは、大英図書館に行ったり、ネットに転がっている論文を読んだりして、「アカデミアいいなぁ~小論文を教授に採点して欲しいよぉ~」と想いを募らせてきました。
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放送大学にした理由
本当は英国の大学に入りたかったのですが、留学生の学費が3倍なんてザラで(£27,780/year = 年間600万円の授業費)、放送大学が海外在住学生の募集を始めたことを知り、興味を持ちました。
自分のペースで勉強できて、1科目(2単位) あたり12,000円、最安77万円で卒業を目指せるという学費の安さ、学割の適用、面白そうな科目に惹かれ、物は試し。の気持ちで入学しました。進研ゼミ続かなかったけど、これは続けるぞ‥。
余談です。放送大学はThe Open University of Japanといって、イギリスのOpen Universityを基に作られましたが、そちらは他の大学よりは安いものの卒業までに£24,528 = 530万円という奨学金を獲得する前提な金額です。しかし、SettlementというVisaを取るまでは基本的に奨学金が取れないので、あと4年くらい待たねばならず、かつ、専門的に学びたい分野はMA(大学院)に行かねばなので、そちらはおいおい考える予定です。
受講している三科目
2026年度の第1学期は何も考えずに全部とれと言われる「基礎科目」を中心に受講しました。
日本語リテラシー(’26)
日本語の説明的な文章を書くための基本的実践能力を養う。その過程で必要となる知識やスキルに対応して授業を構成する。
放送大学科目案内シラバスより
Eテレのような雰囲気で授業が進む割には、結構難しい日本語リテラシー。パペットのマー君を、セサミストリートでエルモを演じる松本健太さんが演じるという豪華さ。僕がブログを書く時のような共感を得たり、パーソナリティをあらわすような文章とは違って、感動を排除して心では無く脳に伝える分かりやすい文章を目指すことから始まります。
より良い思考の技法(’23)-クリティカル・シンキングへの招待-
情報を的確に評価し、合理的に考えてより良い判断を下すための実践的な思考法が「クリティカル・シンキング(批判的思考)」である。これは相手を否定する「批判」ではなく、自分の推論を意識的に吟味する内省的・熟考的思考であり、また証拠にもとづく論理的で偏りのない思考法である。本講義では、さまざまな学問領域、市民生活、職業実践に共通する汎用的思考スキルとしてクリティカル・シンキングの基本を学び、さらに「実践」として現代社会の具体的な問題場面への適用を考えていく。
放送大学科目案内シラバスより
疑似科学やオカルトを信じる働きを理解する認知心理学の研究に取り組む教授によるクリティカルシンキングについての授業。特にテキストを読んでいると文章が脳内で滑って行ってしまう事が多いので、教授や聞き手の黒澤さんの鋭くユニークな視点によってなんとか理解が進んでいます。エコーチェンバーや生存者バイアスなど、既に使っていた言葉のおさらいなども。
英語で発信する日本文化(’26)
かつて高度な英語力で日本文化を発信した人たちの英文や、講師がこの科目のために書き下ろした英文を使いながら、「日本文化」を語ることを通して発信型英語教育の一類型を示す。
【授業の目標】
・日本文化について英語を通して考える
・日本文化について英語で発信した達人たちの文章表現を学ぶ
・日本文化について英語で発信する放送大学科目案内シラバスより
イギリス住んでるし英語科目なんて余裕でしょ~と高を括っていたら、英語と日本語には言語・文化間にかなりの差があるので、文法をきちんと理解して学びましょう。という方向性なので、全然知らない単語とか、聞きなれない文法の嵐で、普通にヒーヒーしています、それこそ自分が逃してきた知識なので、真摯に学びます。
学習スケジュール
放送授業の放送やラジオは全てインターネット上で聞けるので、教材が届き次第いつでも学習を始められます(面接授業と呼ばれる実際に学習センターへ行く授業もあります)
4月から学び始め、5月中旬に通信指導と呼ばれる中間試験のようなものがあり(半分くらいまで課題終わってますか~?という確認のような試験)、それを提出すると、7月中旬に行われる単位認定試験を受けることになります。
授業は45分間で全15回。4月から7月中旬までの17週間、1週間に1コマ進めていけばいいのですが、仕事が忙しくなることもあるだろうし、試験前に復習の時間も設けたいので、出鼻をくじかれた4月の3週から、だいたい週に2コマ進めるようにしています。しかし、とするとですよ。3科目取ったら、週に6コマ進めなくちゃいけないんです。
授業を観て、テキストを読み、必要な所はノートにまとめたり、自主課題をやってAIに添削してもらいつつ…という勉強方法で進めていますが、かなりガンガン進めないと週末がやってきてしまい、「参考文献も漁りたいな~」なんて思ったら終末が……。このやり方で1コマ60-90分ほど。つまり、週に6-9時間必要。電車でテキストを読むなど、隙間時間を有効利用しないと社会人には厳しそう。
ADHDなのもあって、2倍速で授業を聞いて(safariやchromeのVideo Speed Controlのアドオンを導入しています)、気になった時は一時停止をする。が可能なのが本当にありがたい。放送大学だからこそできることですね。どこの大学もゼミじゃない講義は録画してくれたらいいのになー。
思ったこと色々

質問箱がイイ
教授に授業に関しての質問を送ることができるシステムがありました。英語の授業で、productiveを「発信型の」としていた訳について質問したところ(Oxford dictionaryではその使用方法が見つからなかった)、『第二言語習得の分野では、言語を産出すること(四技能の区別で言えば話したり書いたりすること)を production といい、その形容詞系として用いた』と参考辞書と共に回答してくれて、勉強になりました。良い質問をするぞ。と授業に臨むのは良い姿勢かも。
科目同士のつながりを感じる
基礎科目だからでしょうが、の授業でも、演繹法(Inductive Approach)と帰納法(Deductive Approach)についての講義があり、色んな視点から理解することによってようやく意味が掴めてきました。英語の成り立ちとしては、≪in「中へ」とde「外へ」》に≪duco(ラテン語で「導く」、ダクトも同じ語源)》が合わさってできた言葉と学び、漢字よりイメージが湧きやすい感覚がありました。
一人で勉強しているさみしさ
Blueskyの放送大学フィードや、Twitterにちらほら学生はいますが、私はスクーリングを伴う授業は取れないのでキャンパスライフは無いに等しい。このブログを読んで、友達が始めてくれないかな…とか思いつつ、周りの友達に今日はこんなことを学んだ!という話を押し付けています。
施設は充実しているけど
オンラインで使える図書館があり、文献を探すこともできるが、僕が読みたかった論文は購読していなかったり、新聞は朝日のみなど限られてはいる(他の大学だったらどうなんだろう)。ただ、多読用英語本や放送大学自己学習サイト、実はすべての放送が視聴可能で他の授業をのぞき見することもできるなど、コンテンツは充実。
授業が面白い、そして難しい
え、世の中の大学卒業生ってこんなことを理解して試験やレポートを乗り越えてきたの?なのになんで?と、思うほど、「通信制」を甘く見るなよという難易度ですが、テキストがよくまとまっていて、放送大学だけではなく東大や京大などいろんな大学の教授が授業をしてくれるのは贅沢。とはいえ、男性教授の多さ(放送大学だけの問題じゃないですが。ようやく国立大学での女性教員の割合が20%を超えたそう)、フェミニズムやクィアスタディーズをメインにした授業はみつからないなど、その辺は別腹です。
これから
次の学期は、二科目くらいにしようと思いつつ、このまま卒業を目指すかどうかはまだ分かりません。しかし、生活の中に継続的な学習の時間が取り入れられて、自分がこれまで得てきた知識や経験の基礎を改めて学べるというのは、社会人学生だからこそできることだなと思いました。ドゥームスクローリングをしているよりはマシですし。
試験勉強して良い成績を取るより、興味深いエリアを深掘りする材料にしたり、実際に知識を付けることに焦点を合わせたいと思いつつ、単位を落としたらやる気を無くすでしょうから、試験にもしっかり取り組みたい。とはいえ、七月はちょっとした公演が控えてたような気が…(暗雲)
