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  • 芸事以外の道

    芸事以外の道

    俳優活動を辞めると発表した友人が何人かいた。
    特に毎年四月あたりに発表される「ご報告」に心穏やかじゃないファンの方たちもいると思う。

    俳優っていうのは、何が正しいのか、いや正解なんてないんだけど、とにかくどの状態においても安定した生活を送ることが厳しいと思うし、彼らが過去に演じた作品や一緒に触れ合えた時間は消えないのだから、それらに感謝して、ただ幸福を祈っている。応援する力が足りないからだなんて思わないで欲しいし、仮にそうだったとしたら芸能界のシステムが間違っていると思うし、実際間違っている。

    僕は俄然、芸事を続けていきたいけど、生きてゆくのにお金は必要で、かつ生活の見通しが立たないと、どれ程傷つき、健康な思考を保てなくなるかは身をもって知っているから、もしUK2年間の滞在のうちに創作し続ける目途が立たなさそうだったら、一度生活が安定しそうな道を整えた上で演劇と関わる道を探したいなと思っている。


    「大学も出ずに、就職もしたこと無いような人が社会人になんてなれるわけ…」といじけたりもしていたんだけど、演じる能力や相手の台詞をきちんと受け止め解釈する能力は、仕事上のコミュニケーションに活きるし、制作・運営した経験はめちゃくちゃ応用が利くことが最近分かった。CVを書いているときに「クリエイティブチームを結集し劇場と交渉を進めながら、プロジェクトをマネージメント」と言える事に気が付き、書きながら驚いた。

    ちょっと勇気いること言うけど、誰かをサポートしたり、社会的に力の弱い方たちの手助けをできるようなことをして生きていきたいと思う。人から助けられるとありがたいし、人を助けられたかもと思えると、それもそれでありがたい。死に際に孤独になっても「でも、あの時手を差し伸べることできたのは良かったよな」と思い出したい。自分のために。

    そんなこんなで今のところ考えているのは、まずはキャリアコンサルタントか行政書士の資格を取ること。どちらも国家資格で、難関なのは百も承知なのだけど、英語の勉強をきついと思いながら楽しめているのもあって、意欲もある。すぐに抜本的な改革を起こしたくなってしまうので、恐らく長期的な会社員よりは個人事業主でいるほうが向いている。日本はフリーランスに厳しい国だけどさ。

    一度就職をしたり、他の資格を取ったりする必要もあるだろうけど、落ち着けば独立して働ける。そのうえ上手くいけば、創作活動との両立も。どちらにせよ、それ単品で仕事をするというよりは、その中でも自分の専門を見つけたり、他のスキルと掛け合わせるのが大事っぽくて、それにはエンターテイメント周りの知識やら、ロンドンでの生活も活きるだろう。もし、行政書士になれたらいつか、入管業務の透明性を高めるために尽力できるかもしれない。

    と、一応計画を立てることによって、少し気持ちが楽になった。もちろん試験の難しさとか、案件獲得の困難など、私が視えていないことはたくさんあるだろうけど「俳優としての仕事が無くなったら・創作したものが世間に認められなかったら、もうおしまいだ」と考えなくて良いのは、ホッとする。何を隠そう昔の日記はそんな記述で埋まっている。でもその必要はないことが今は分かる。


    Amazonのアフィリエイトを試してみたけど、ヴァージニアウルフの「自分だけの部屋」が一冊売れた(それはサイコーすぎる)以外は、売り上げがなく「うちらの基準を満たしていないのでアカウント停止すんね」と言われたので、辞めました。そもそもAmazon下の労働環境やら、小売店を脅かしつづける姿勢、物を売るという資本主義にも疑問があったので、ちょっとスッキリ。

    しかも先日読者の方から、広告が無くて読みやすいと言ってもらい、こんな記事を読んでくれる人がいる。という豊かさを広告なんかで邪魔したくないと思ったので、ロンドン生活の紹介コード以外はやらないつもり。また依頼されて記事を書いたりもできますように。

  • 髪の毛に包まれたなら。

    髪の毛に包まれたなら。

    歯医者に行くのは好き。口を開けているだけで、口内が健康になるのが王族にでもなった気分。

    だけど、髪を切るのは少し気が重い。

    東京ではずっとお世話になっている美容師の方がいて、彼の手さばきやこだわりが好きだから、自分の髪を利用した匠の技を鑑賞しに行くようなつもりで行ってたし、ずっと通ってるもんだから他のスタイリストやアシスタントのみんなとも顔見知りになって、ひと月一度、チリツモする世間話で、お互いの歴史をちょっとずつ交換するのが好き。ヤな感じの常連になってないかな。馴れ馴れしくないかなと、いつも気を付けているけど。

    だから美容院に行くのはすごい好きなのに、髪を切るのがなんかさみしく感じてしまう。大昔から。なんでだろ。ヒッピーなの…?確かにHairを観て育ったけど。

    小さい頃から隙があれば髪を伸ばしていた。プールでアタマジラミをうつされたときと、高校受験のために担任教師から髪を切った方がいいと言われたとき(僕を想ってのことだけど、今思うとなんじゃそりゃだな。制服自由の学校を受けたのに)は、泣きながらロングヘアを切ったのを覚えてる。特にあの頃は性別違和が強かったのもあるのかも。とはいえ、長髪とジェンダーは必ずしも結び付くわけでは無い。

    人生最長は20代前半の頃で「仕事の依頼があったら切る」と思ってたんだけど、舞台では大体ウィッグで、全然地毛を使わなかったから、映画「金色」で人生初のブリーチをした後は、緑にしたり、グレーにしたり、いろんな色を楽しんでいた。でも「君は女の子になりたいんだよね?」と聞かれることも一番多くて、それは、違うような~~違わないような~~~というか、かなりパーソナルな質問ですよねそれ~~。と思いながら、テキトーにあしらっていた。

    頭を立体的にとらえたときに、顔があるのってほんの一部だけで、伸ばしていれば多くを髪が覆っている。だから髪型って人のイメージを大きく左右すると思うんだけど、やっぱり髪が長いと所謂青年の役とかが回ってこなかったりしたのもあって、ボブを挟んで、映画「歩く魚」の時に「仕事の依頼」でカットすることになったので、そこからショートヘアに。

    俳優には、宣材写真というものがあって、ある程度その写真とイメージが近いことが求められることが多いので、ショートヘアで撮影してからは、だいたいその長さを保っている。唯一遊んだのは、パンデミック禍。まだそこまでリバイバルが来てなかったウルフショートにして、先述の美容師と試行錯誤を重ね「ウルフにもなるし、小さく纏めて隠せば、ショートヘアにも見える」スタイルを生み出した。映像の仕事が増えていたころだったので、仕舞っちゃえばサラリーマン風にもなるし、出せば個性的な髪型にもできるし重宝していた。

    ただこの髪型は、超絶技巧パーマが必要だし、維持が大変なので、渡英前には割と短くした。短い髪をウィッグで表わすのは技術が必要だけど、長い髪はウィッグを被っちゃえばいい。という心もある。ドライヤーは楽だし、ナチュラルなヘアスタイルのお陰で、多少だらしがなかろうが、眉毛を書かなかろうが、フィットするので日々は生きやすい。

    重力に逆らってウルフショートの髪がふわっとしている。フィルムの淡い質感。枯れた紫のニットに、白い背景。
    photographer:大木慎太郎

    色んな髪型を街で見かけるけど、それが本人の自由であるかを考えずに、その人の性自認やアイデンティティを決めつける人や社会があるし、間違った規律や先入観は学んで早急に訂正していただきたいと、特にブラックヘアについても思う。流行を知る中で、文化の盗用ではないかという視点も常に持ち続けたい。でもどうして、個人として、髪を切ることにこんなにも気合がいるんだろう。

    例えばもっと演出家として活動することになった時とか、ウィッグを被る舞台公演が続くときとか、また髪を伸ばしてみようか。ウルフ部分だけ際限なく伸ばすとかもありだな。別にショートヘアが嫌いなわけじゃないから、ちょっとずつ色んな髪型を試してみよう。前髪重めなブリティッシュ風のショートヘアとか、柔らかそうなベリーショートとか。ゆうて人はそんなに気にしない気もするし。うん…美容院に電話しよう。

  • ロンドンのギリギリ生活

    ロンドンのギリギリ生活

    2025年版の記事も公開しました!

    一体いくらあれば生きていけるのか。渡英前に目を皿にして調べましたが、インフレの進行もあるし、個人差もかなりあると思うので、母数は一つでも多いほうがいいだろうと、僕もここに記しておきます。ちなみに上の写真は友達の家なので僕はこんな生活を送っていません。残念。ビンボー生活です。

    物価の高いロンドンでも、こんな過ごし方もあるんだ~くらいに思っていただけたらいいかなと思います。そして、まったくロンドンで生活する予定がない方も、日本と比べてどんな感じかな~と楽しんでいただけたら幸いです。東京にいる時も生活費としては20万円前後くらいだった人です。

    2024年2月総支出

    CategoryBudgetSpend円換算(£1=190円)
    家賃・光熱費£700£700133,000円
    食費£120£72.5213,778円
    交通費£140£105.9620,132円
    健康・美容費£80£397,410円
    通信費£20£101,900円
    外食費£100£69.5413,213円
    芸術・教育£200£24746,930円
    雑費£100£12.982,466円
    合計£1,500£1,257238,930円

    家賃・光熱費:£700

    白い樹脂の窓から見えるキジトラの猫が横切っている様子。その向こうにはギザギザした植物。
    前の家はよく猫が通り過ぎて行った

    以前家探しの記事は書いたのですが、そこから引っ越しました。荷物が少なければ、家具は備え付けだし、デポジット(保証金)はいるけど、基本的に礼金や仲介手数料が無いので、Notice(引っ越しの申告期限)やContract(最低契約期間)が緩やかなら、引っ越ししやすいのがロンドンの良いところ。僕は、まず多少高くても契約期間の少ない安心できる家を見つけてから、ゆっくり次の引っ越し先を見つけるのをお勧めします。

    ただし、家賃に関しては本当に個人差があると思います。ネパールから来た友達は、同郷の子たちとフラットを借りているから一人当たり£450と聞くし、綺麗な部屋に住みたかったという台湾の子は£850くらいらしいし、£700くらいで自分のよく行く場所に1時間以内に行けて何かが壊れていなければ(大家がうるさいとか、汚さ過ぎるとか)「良い物件見つけたね!」となります。ちなみに全部フラットという住宅の中の一部屋を借りる時の話で、一人暮らしをしようもんなら最低でも£1,200はかかると思います。

    新しい家は、光熱費(電気代だけ別)・家賃をざっくり合わせて£700くらいです。ヒーターを使うともう少し高くなる時もあります。すべては家賃次第といっても過言ではなく、企業ではなく個人が住宅を貸しているので、値段の平均値も当てになりません。マジで、時期と運(嫌いな言葉だ……)

    食費:£72.52

    スーパーで買ったトマトや卵、ニンジンや豆乳が並んでいる。英語で書かれた包装紙
    だいたいこれで£15くらい。「MACKEREL FILLETS」は鯖缶。

    多分激安だと思います。ちょっとこれはチートを使っているので弁解させてください。というのも、レストランで働いているので仕事に行く日はまかないが出るんですよ。更に、自宅での料理はペスキタリアン(魚や野菜、卵・乳製品は食べるけど、お肉は食べない)を実践しているので肉代がかかりません。お肉は割と高めで、UKで手に入りづらい薄切り肉を求めようもんなら…ひぃー。

    ただ、スーパーの価格が比較的良心的なのはUKの良いところだなと思っていて、Sainsubry’s・TESCO(中堅スーパー)やALDI・Lidl(ドイツ系お安めスーパー)で買えばこんな感じです。

    ・バナナ5本:78p(148円)
    ・オーガニックニンジン1kg:£1.3(247円)
    ・豆乳1L:69p(131円)
    ・中トマト6個:95p(181円)
    ・全粒粉の食パン800g(二斤くらい):£1.3(228円)

    この5カ月でも豆乳が50pから69pに値上がりしたりしているので、侮れませんが、他の物価を考えると割と優しい価格帯です。醤油やら味噌やらの調味料はこちらで調達しつつ、日本食材はあまり買っていません。食費を抑えるつもりなら、自炊できるのは勿論のこと、渡英前からオートミールやパン中心の生活でも大丈夫か慣らしておくと良いかもしれません。でも節約だけしてても仕方ないので、マーケットでチーズを買ったり、M&S(成城石井みたいな)でちょっと美味しいお茶を探したりして気は抜いてます。そして肉の代わりにプロテイン。

    交通費:£105.96

    地上駅のプラットフォーム等間隔に「BARBICAN」と書かれたサインがあり、壁はレンガ造り。夜の風景。
    なんかこの駅、京王線を思い出してまったりした。

    Suicaみたいな交通系カードOyster Cardというのがあって、それに£95チャージしたのと、引っ越しの時のUberが£8.69、レンタルサイクルが二回で£2です。

    ロンドンの電車賃は(今から複雑なことを早口で言うのでしっかり読まなくて大丈夫です)、Zoneと呼ばれる区画があって、イメージとしては、東京23区内の中心:Zone1・区の外れ:Zone2・区外:Zone3・近隣県:Zone4…のように定められており、それをまたぐかどうかによって電車賃が変わり、更にピークタイムとオフピークタイムで価格が異なり、その上、30歳以下ならRailcardという30%オフになるカードを紐づけることができるとお得……みたいなシステムなのですが、ピーク時間に電車に乗るとちょっと錦糸町から新宿に行こうかな(イメージ)にも、£3.40(646円)かかったりするので、本当に勘弁して欲しい。ずっと横浜市営地下鉄に乗っている気持ち(おわりです。おつかれさま。)

    でも、バスはどこまで行っても£1.75(332円)なので、時間を気にしなければバスに乗っている人も多い。僕は兎に角、先述のピークタイムを避けて、歩けるところは歩きで行く。という節約をしていますが、時間をお金で買うと思って、交通費は気にしない。ってするのもありかと思います。バスは遅れるのと酔うのが苦手であんまり好きくない…。

    健康・美容費:£39

    髪を切った後に自撮りをしている天羽と美容師さん
    今お世話になっている美容師さん

    最近は日常のメイクもしないので、基礎化粧品くらいしか買ってないし、UKの医療費は無料(薬代は掛かる)なので、£80も予算にたてなくてもいいかなと思いつつ、一応人前に出る仕事なので、美容院(£50くらい)に行ったり、歯の定期健診(NHSで£25.80)には気兼ねなく行けるように設定しています。ネイルとか、まつ毛パーマ、エステあたりに当たり前のようにいくと大変なことになると思うけど、それは日本も同じか。お任せできる美容師さんが見つからない(&高い)から、適当に伸ばして、帰国の時に切るって派と、アジア系美容室でカラーも定期的に…っていう二流派に分かれているイメージ。僕は信頼できる美容師さんが見つかってホッとしてます。

    通信費:£10

    月20GBまで使えて、通話とSMSし放題のgiffgaffを、£10(1,900円)で使っています。これは数少ない日本より安いものだと思うけど、地下鉄では基本使えないし、街中でも電波悪いことあってそんなに信用なりません。たまにNetflixやNtliveのサブスクに入ろうかなと思いつつ、まだその時間が取れてないので、ちょっと予算が浮いています。

    外食費:£69.54

    バルサミコ酢がかかった薄めの一切れのピザ。後ろにはピザ屋の看板が見える。
    日本のフードコートにもある、突然ビーッと鳴る心臓に悪い例のブツを持たされることが多いです。

    ちょっとご飯を食べてお酒を飲めば£50は当たり前の都市、それがロンドンです。レストランで働いているからこそ、マジで外食費は高いなと思います(それでも来てくれる層、ありがとう…「価格が高い」って低評価レビューを見て、わかる…って思ってるよ)

    でもやっぱり友達と会うときは、ご飯食べたいので、そんな時は、ホームパーティーするか、フードコートのように色んなお店が出店しているところでご飯を食べることが多いです。そうすると£8~15(1,520~2,850円)で食べられます。あとは、パブでビールを飲んでもハーフパイントにしたら£4くらい(760円)お酒強くなくてよかった。

    でもそろそろいろんな国の料理とかも食べたくなってきたので、予算までは使い切っていいかな~とも思っています。日本食は…帰国してから食うか、家で作るかな…。あるにはあるんだけど、結構な額を払って微妙だったら泣いちゃうという理由で敬遠してます。日本でもかなりこだわってた人なので……。

    芸術・教育:£247

    装飾と豪華なカーテンが施された劇場のボックス席
    ハミルトンが上演されているVictoria Palace Theatre

    ひとつだけ予算越えしてる項目ですが、僕がロンドンに来た大きな理由の一つは観劇なので、これだけは糸目をつけないと決めていました。いつも最後尾に近いけど。

    例えば、ロンドンに稼ぎに来た!って人は、ガッツリ削れるかと思いますし、語学学校やアンティーク、パブやらフットボール、旅行資金など、趣味や勉強に使う人もいると思います。僕の場合、ボイストレーニングが£85(16,150円)で後は全部ミュージカルや演劇のチケット代です。ダンスのレッスン(£15くらい)とかも行きたいなと思いつつ。

    チケット内訳(何か月後かのチケットを先に買ったりもしています)
    ・Don’t. Make.Tea.:£13
    ・Hadestown:£20
    ・Before After:£10
    ・Why Am I So Single?:£20
    ・Operation Mincemeat:£28.80
    ・Moulin Rouge! :£41
    ・The King and I:£30

    雑費:£12.98

    生活必需品とか、服とかもこの予算から買うようにしています。基本的に日本に持って帰るのがめんどくさいので、あまり新規の服は買うつもりはないのですが、お洒落したくなったら変わるのかなぁ…。この月は、耳栓と、洗剤、靴下を買いました。来月はIKEAへ行って水筒を買いたい。

    合計:£1,255

    青い空に5分咲きの桜
    ロンドンにも桜はある。というか結構多い。

    それぞれの項目が多少超過することはあっても、他で補える範囲なので今のところ予算超過したことはなく、仕事に忙しかった(=芝居行ったり、友達と遊ぶことが少なかった)12月は£1,050ほどで生活したりもしていました。

    外食費なんて、東京に住んでいたころのほうが使っているし、日本でスマホやPCを買い替えてきたので、そのあたりを考えなくていいのも助かってます(どうか壊れないで……)YMSや留学でロンドンにいらっしゃる方の目的はそれぞれだと思いますが、一応僕はこんな予算でも、日々を楽しんで生きています。ロンドン生活についてのブログはコメント欄を解放してみたので、質問があったら、お気軽に~!

    浮いたお金は、定期預金(6%も利息が付く!)に入れて、旅行したくなったり、演出のワークショップに通いたくなったり、体調を崩して働けない時に備えて貯金しています。ただ4.2%のインフレが進んでいるので、単純計算すると同じ生活しても来年には£1,305になります。バクバク。

    たくさん消費しなければ、その分働く時間を減らせて、勉強や読書、そしてこうやってブログを書く時間が作れるので幸せです。そんな気持ちが気になる方は、よかったらこちらの記事も読んでみてください。

    イギリス生活御用達アプリ

    イギリス生活や海外生活で使うあれこれには、友達紹介でもらえる特典が多いので、もし下記のリンクを使っていただけたら、僕もあなたも特典があるので生活が潤います。ちなみに、各サイトやアプリの使い方は「○○ 使い方」で素晴らしい記事たちが出てきます。

    WISE:とても安いレートで海外送金できる。ちょっと複雑だけど海外生活や旅行に必須なアプリ。デビットカードも作れるので、海外旅行の際にもお勧めです。 紹介リンク経由で75,000円分の送金手数料が無料になります。

    MONZO:イギリス在住者向けの無料で作れるオンラインバンクです。給料の振込口座として使うと1日早くお給料を受け取ることができます。お互いに£5もらえます。

    giffgaff:日本に無料でSIMを送ることができます。そのため現地に着いた瞬間からスマホを使えるのでとても安心しました。このリンクからの申し込みで、お互いに£5獲得できます。

    もし、この記事書き手の天羽尚吾を知らないよ~という方がいましたら、作品をご覧いただいたり、Instagramをフォローしてもらえたら嬉しいです!

  • そもそもなんでロンドン

    そもそもなんでロンドン

    「What brings you to London?」とたくさん聞かれる。直訳すると「何があなたをロンドンに連れてきたの?」みたいになるんだけど、素直に「どうしてロンドンに来たの?」と訳すと、自分の中に答えがある感じになるのに、英語そのままの意味だと、目的が自分の外側にあって、それに導かれた。みたいな印象があって、ちょっと好きなフレーズ。

    たぶん「そもそも」を10回くらい用いらないと語りきれないほどだけど、はじめて海外に行ったのは18歳の頃のニューヨークで、その時はマジで衝動で行ったので荷物検査の時に初めて、あれ、飛行機乗るの初めてだし、海外も初めてで一人旅ってヤバくない?!と、号泣したのを覚えています。でもその後はケロッと、ダンスのレッスンを受けたり、ミュージカルを観たり、現地の公園でパフォーマンスをしたりした時に「あれ、ここで生きていけるな」と感じて、じゃあここにはいつでも戻ってくればいいから日本で頑張ろう。と、謎の自信をつけて帰ってきました。

    尊敬している友人がロンドンの大学に通っていたので遊びに行った10年前が初めての英国。ちょうどその頃もポンドが高かったのもあって、何するのも高いし、ニューヨークほどオープンじゃない感じがして、実はロンドン自体に強い思入れはありませんでした。そこでみたPunch Drunkの「The Drowned Man」に心を奪われたり、なんとなく人との距離に一線がある雰囲気の居心地の良さは覚えています。


    コロナ禍あたりから、漠然と海外でも活動してみたいなと思って、YMS(ロンドンのワーホリビザ)やDiversity Visa(アメリカのグリーンカード)に応募しては外れたり、ちまちまと英語を学んだりしていました。端的に言えば、そのYMSがナウミュの制作でくそ忙しい2023年1月20日に当選しちゃったから、ここにいます。英語の勉強もしたいし来年が良かった…とか思っても、次いつ当たるか分からないので(2024年から先着順になりましたが)、大急ぎで事務所に相談したり、英語を勉強したりして準備を進めました。

    こうやって振り返ると、後から理由をつけているかも。2022年くらいからガッツリと人生の新たな章が始まったなという感覚があって、それについてゆっくり考えたいこと、ロンドンの演劇界が割と好きだから、その近くで流れも含めて学びたいなという気持ち、あと、こんな冒険はそろそろしづらくなってくるだろうなという勘もあります。え、結局、勘じゃん。だって1994年4月20日11時52分生まれの牡羊座で月星座は獅子座のENFJなんだもん~~!(各自、占いよろしくお願いします)

    さてさて、もう4カ月も経ったので今度は「お休みの日は何してるの?」と聞かれるように。劇場か、バイト(Survival jobというフレーズも好き)か、家で読書、友達と話す。ほぼそれだけ。往復1万円でスペインとか行けるのにロンドンから出てもないし、大英博物館すら行ってない。パンデミック前は毎日どこかに出かけないと気が済まない人だったのに、今では一日引きこもれる日は小躍りしちゃう。超贅沢って思う。

    この日々が、休息になるのか、成長になるのか、進歩になるのか、まあそれは振り返った時に好きに選べばいいと思うけど、多分「ロンドンに来たから」だけじゃない自由と、ちょっとタブララサな精神を噛み締めています。

    これが1そもそも。です。

    じゃあ、あなたは何に導かれてここに?

  • 今更見た「WICKED」の話

    今更見た「WICKED」の話

    いや、本当にごめんなさい。日本でも見れるんだし、観ておけよ。っていう必修科目なのは知ってたんですが、観たこと無かったんです。ウィキッド。2003年の初演から今なお愛され続けている、2000年代を代表するようなミュージカルの1つで、今年の11月には映画化もされます。先日予告映像が公開され、また話題になりました。

    アリアナグランデよりなにより、Fire Islandのボウエン・ヤンが出てるのに喚起してます。

    大枠は分かっていても細かいストーリーも知らなかったので、え、そうなるの~~!!と、今や珍しい側の観客として楽しみました。オズの魔法使いという著名な物語の裏話。という取っ掛かりも見事。絶対トニー賞(ミュージカル有名な賞がある)で作品賞受賞しているでしょう。と思ったら、その年は「Avenue Q」というパペットによるミュージカルが受賞しているんですね。流石にプロデューサーたちも驚いただろうな…。そして、作家も音楽家も意外とこの後活躍していないのが興味深い。

    ※ここから先はネタバレを含みます。あと僕は今、ミュージカル演出への素養を観に着けるために舞台を観ているところがあるので、基本的に「ここをこうしたらもっと良くなるんじゃ…」みたいな批判的な視点多くなります。でも作品が完成されているからこそ言えることというのは重々承知してます。

    ファーストインプレッション

    多分この作品を13歳くらいの頃に観ていたら「私のミュージカルの原点はこれ!」ってなったんだと思うのですが、その頃はRENTやCHICAGOにお熱だったし、影響を受けて羽ばたいていった作品たちも観た後だったので、よくできた作品だなと思ったけど、僕の人生の中では宝物になる作品というほどではありませんでした。

    とはいえやっぱり、女性二人がメインロールの作品って少ないし、あらゆる世代が一緒に楽しみやすい作品だとは思いました。ただ僕はもう少し内向的な物語展開が好みなので、かかしやライオンたちの前日譚とかは入れ込むとしても、オズは舞台上に出さないで噂や伝聞だけで話を動かしてもらい、ヤギの先生ディラモンド教授とエルファバとか、グリンダとエルファバの対話とかに焦点当たらないかな~と感じました。あと、アンサンブルの俳優たちは素晴らしかったけど(王様と私にも出演されていたYuki Abeさんもいらして勝手に嬉しかった)ステージングや役割という点では、割と凡庸な演出をされているなと思った。なんだろう。

    確実にWickedから影響を受けたであろうアナ雪の舞台を観たときに、エルサとアナがすごいイチャイチャしてて、映画より二人の愛が強調されたなと喜んでいたのですが、この作品でもお邪魔虫フィエロという恋のお相手が登場するものの、今回僕が観た限りでは彼との恋模様はわりとあっさりしていて、多分時代と共に雰囲気が変わっていった演出なんだろうなと想像。

    気になった点

    かなり気になったのは、エルファバの妹・ネッサローズの描き方。2004年時点でもDisability Studies Quarterlyにて、障害者のステレオタイプ化を増長させてると批判されていたが「歩けない障害が治ることがドラマチックに演出される」ことは、マジでどうなんだろうと見つめていた。せめて歩くシーンが無ければ、The Little Big Thingsのように車椅子を使う俳優の活躍の場にもなったな。とも考えたけど、20年も前ですから、特に当時は大きな意義もあったと思う。でもネッサローズが姉から離れて自立したい心とか、もっと丁寧に描かれるシーンも欲しかったなとかなんとか…もしくはもっとカリスマ性のあるヴィランに振り切るか…いや、カリスマ性があるかどうかは、僕の好みの問題もあるな…

    このPopularで、エルファバの髪がちょっとベタベタするという演出が大好きだったんだけど、ありませんでした。パーティーだからいっぱいオイル塗っちゃったのかなみたいな可愛さが好き。

    ロングランで上演しつづけること

    それはそうと、Defying Gravityでエルファバが飛ばなかったり(ほんとに何故。なんかここ一週間くらい飛んで無いらしい。でも冒頭のグリンダは飛んでるから不思議)喋りながら観る人とか、ガサガサポテチ食べる人とか、盗撮しちゃう人とか(流石に注意されてた)いて、めちゃくちゃ治安が悪いのも興味深かったです。二階席だったのもあると思うけど。ロングランはいいこともたくさんあるけど、果たして同じ舞台を上演し続けることが、俳優やクリエイティブチームにとって本当に健康かはちょっと疑問が残る(パンデミック明けから舞台でのマナーが更に悪化したと言う専門家もいる。統計ではないけど)

    とはいえ、映画もあるし、あと2~3年は続くでしょう。映画版のアレンジも楽しみです。プロジェクションマッピングを大胆に使って壮大になったブラジル版も気になってる。絶対not for meだけど。本当にバランスの良い作品だなと思うので、キャストの演じ方とかに注目して何度も観てみれば、より味わい深いだろうなと思う。

  • 性別移行する登場人物の一人称をどのように翻訳するか

    性別移行する登場人物の一人称をどのように翻訳するか

     「I」や「我」といった統一された一人称を用いる言語から、「私」「僕」「俺」など、複数の選択肢が存在する言語に翻訳をするのは、大きな壁があると実感した。「家族の配列」は、父の訃報を受けて葬儀に参列した三姉弟が、異母姉妹と初めて出会い、交流を重ねる中で、家族や愛とは何かを、現代台湾の日常を通じて映し出す第19回台北文学賞優等賞受賞作品だ。

     今回のWS中に議論の場に上がったのは末っ子、佳華(ジアホア)の一人称。母方の姓を名乗る事にこだわり、姉とジェンダーアイデンティティを巡って口論し、マイヨガマットを持つ佳華に、どんな一人称を訳すのが適当だろうか。どのような演出で演じるか、そして周りがどう反応するかによっても言葉の意味は変化するが、戯曲での一人称付与は一つの重大なメッセージになり得る。

     本WS用の翻訳では、3場までは「自分」が、豊胸手術中のために不在の4場を挟み、5場からは「私」が用いられた。また、最初の頃は「弟」や「息子」と呼ばれていたが、5場では長女・佳恵(ジアホエ)が「ホワホワ(佳華のニックネーム)は自分を女の子だと思ってる。いや、ホワホワは自分を女だと認識している」と言い直すなど、周囲の接し方にも変化がある。既に最新稿では書き換えられているそうだが、1場に一箇所だけ「僕」と自分を呼称する台詞があり、そこを発端として一人称についての議論が広がった。手術をしてスカートを履くようになってから「私」と自分を呼べるようになることへの祝福、一人称を言い直す可能性などの意見が出た。

     時間経過が多い本戯曲の特性として、佳華が姉へカミングアウトしようとする場面から、姉たちに見守られながら手術を受け、葬儀に異母姉妹の母から送られた黒い洋装を着て参加するまでの間が描かれない。観客は行間を読み取りながら想像を膨らませることができるが、昨今のトランスジェンダーを取り巻く差別的発言の多さなどから、誤解を招く表象にならないかと私は懸念する。

     トランスジェンダーたちが経験する性別移行とは、戸籍や一人称の変更など「長い時間をかけて、たくさんの困難と向き合いながら生きてゆく性別を変えてゆく」 1とされる。ジェンダーアイデンティティを自覚し認めてゆく精神的な性別移行、髪型や衣服の変更(ト書きで明確になるのは5場)、家族へのカミングアウト(3場)や戸籍の変更(5場で言及される)の社会的な性別移行、そして医学的な性別移行(4場)と、本戯曲内でも多くの経緯が描かれる。5場から装いを著しく変化させたり、言葉遣いを変えたりすることによって、弟をサポートしようとする姉たちに囲まれて、ようやく「私」という一人称を使えるようになったと描写できる一方で、手術をしたから性別移行が完了したとするような演出になりかねないと私は考える。また、4場に出演しない佳華役の俳優は衣装替えやメイクアップをする時間が与えられている。

     トランスジェンダーが登場する戯曲とその翻訳において、当事者の実情を踏まえて、偏見に同調することを避けるなら、序盤から最後まで一人称を統一するか、「自分」「私」「僕」などの一人称を、話す相手や佳華の感情を鑑みて混ざり合わせるプランも提案したい。5場で容姿の変化が演出されたとしても、自身のジェンダーアイデンティティと向き合い揺らぐ様、もしくは意思をもった選択を描くことが期待できるからだ。性的マイノリティが登場する本戯曲の上演は、多かれ少なかれ社会での認識に影響を与えるからである。

     2024年現在の台湾では内政部の布告に従い、性別要件の変更に生殖器の切除が求められている2。本戯曲が発表された2016年から現在までに、司法院最高行政裁判所(SAC)が、上記の布告は「身体的権利、医療的権利、人間の尊厳、および人格の権利を著しく侵害する」3と明言した、手術を伴わない戸籍変更を求めたトランス女性が裁判で勝訴する4などの進歩があるも、法整備には至っていない。戯曲執筆当時の2016年から月日が経っても、まだ法整備にはいたらないであろうという李屏瑤による予測は的中した。しかし、日本でも最高裁が性別変更の手術要件は憲法違反とした5ことも踏まえて、台湾・日本でトランスジェンダーの生活に寄り添った法整備が進むことを私は期待する。

     初読の際には、共感できない戯曲だと感じていたが、今回のWSを通じて、台湾の文化的背景や登場人物それぞれの異なる思惑、変化など、読み解くほどに新たな発見があり、心を揺さぶられた。この作品を上演するにあたり、どのように観客を引き込むのか、いかに作品が創り上げられるのか、とても興味深い。現代の台湾をそのまま描こうとするのか、さらに未来を予測して描くのか、戯曲の外側に広がる歴史や実情を踏まえた上で、佳華が描かれることを私は願う。

    参考文献

    1. 周司あきら, and 高井ゆと里. トランスジェンダー入門. 集英社, 2023. ↩︎
    2. Scherpe, Jens M., ed. The Legal Status of Transsexual and Transgender Persons. Intersentia, 2015. https://www.cambridge.org/core/books/legal-status-of-transsexual-and-transgender-persons/5002EE29EDCD4BEE8123FC899C17AA0D ↩︎
    3. 最高行政法院, ed. “最高行政法院110年度上字第558號上訴人OOO與被上訴人高雄市鳳山戶政事務所間有關戶籍變更登記事件新聞稿.” 司法院 Judicial Yuan, September 21, 2023. https://www.judicial.gov.tw/tw/cp-1888-947361-0afda-1.html. ↩︎
    4. 社運 發電機, ed. “【新聞稿】跨性別者小E 性別變更登記成功.” 公民行動 影音紀錄資料庫, November 19, 2021. https://https://www.civilmedia.tw/archives/106812www.judicial.gov.tw/tw/cp-1888-947361-0afda-1.html. ↩︎
    5. 東京新聞, ed. “性別変更の「手術要件」は違憲  最高裁が初判断 生殖能力なくす性同一性障害特例法の規定【裁判官一覧】.” 東京新聞 TOKYO Web, October 25, 2023. https://www.tokyo-np.co.jp/article/285891. ↩︎
  • なまえの移り変わり

    なまえの移り変わり

    「真実の名を教えてくれ」と問われたときに、どの名前を答えよう。

    子役時代から俳優を続けてきたことや、苗字の珍しさと個性(特によく羽ばたいていたダンサー期)との整合性がとれていたことから、俳優としても本名で活動していた。たとえ画数があんまりよくなくても。

    初めてあだ名を作ったのは6歳の頃に趣味のHPを作った時、ネットリテラシーがきちんとしていたので、”ハンドルネーム”を作り、なんかそれこそ「ゆあてゃ」みたいな日本語離れした音だったので、割と気に入って、高校時代もその名前で呼んでもらっていた。性別はおろか、人間かどうかも分からない「ぽよ」とした響きが気に入って。

    社会に出始めると「天羽くん」「天羽さん」「あもー」と呼ばれることが増えた。「しょうご」は被ることもあるけど「あもう」という音はなかなか被らないので、あだ名不要。この頃から、自分の本名がとてもパブリックなものだなと感じた。それこそ、何か事件を起こしたら本名=芸名だし、病院で「あれ、天羽さんって銀英伝出てました?!」って声をかけられたりして、俳優:天羽尚吾と社会における天羽尚吾は、世間から見たら同一なんだなと、ちょっとプレッシャーも。

    その頃から、僕のプライベートでの呼び名が乱立し始めた。本名をもじった愛称だったり、新設された名前だったり、バイトのために使う名前だったり。その名前で呼ばれると、ちょっと「天羽尚吾としての責任」からはフリーになった気がして楽しかった。

    久しぶりに会った友達に、昔のあだ名で呼ばれると、一瞬びっくりするけど、ゆあてゃ(ではないけど)だったころの記憶や感覚が蘇って、セーブしておいたデータをロードしたような感覚になる。今の自分が忘れていることを、その名前で呼んでくれる友人は覚えていたりする。ありがとうシナプス。

    ロンドンでは「Shogo」と呼ばれる。たまに「しょうぎ」や「しょうじょ」になるけど、それもそれで好き。これまで、天羽同志の集まりや、限られた人にしか「尚吾」と呼ばれてこなかったので、新たな自分のセーブポイントが増えた感覚。それにはどんな思い出が詰まるんだろう。

    台湾や中国系の友人は、いわゆる通称を持っている子も多くて「History」や「Art」みたいにカッコいいのから、春生まれだから「Spring」、シンプルに「Nancy」とか、なんかそれも羨ましい。もし作るならどんな名前にしようかな。あと「真実の名前」を聞かれたら、君が呼んでくれたら全部真実だよ。って答えるね。

  • イギリスのエージェントについてのお知らせ

    イギリスのエージェントについてのお知らせ

    イギリスでの活動をマネージメントしていただくエージェントが決定しました。

    NG PERSONAL MANAGEMENTというミュージカルや舞台へのキャスティングを中心とした事務所です。
    ありがたいことに、いくつかのエージェントからお誘いがあったのですが、代表のNatalieの協力的で、前向きな人柄に惹かれてマネージメントをお願いすることにしました。

    日本だと、事務所に所属する。と言いますが、こちらだと俳優がクライアントと呼ばれるという文化の違いを感じてます。
    もちろん、エージェントがいるからといって、仕事が決まったわけでも、生活が保障されるわけでもないですが、一緒に歩んでくれるパートナーが見つかったことが、とても嬉しいです。

    日本での俳優活動については、引き続きフォセット・コンシェルジュにお世話になっているので、ご用命がありましたら、いつでもご連絡ください。

    天羽尚吾

  • ミュージカル「NOW LOADING」チャリティー配信

    ミュージカル「NOW LOADING」チャリティー配信

    ミュージカル「NOW LOADING」舞台映像配信です。
    ※本配信は終了いたしました
    ご視聴いただいた皆さま、拡散にご協力いただいた皆さまありがとうございます。

    イントロダクション

    「ちょっと逃げ出さない?窓から抜け出して」

    休職中の”ジョニ“は、会社への恨みつらみを込めたマシンガントークで、うだつの上がらないゲーム配信をしている。突然ゲストが欠席し、参加者を募っていたところ、スポーツ一筋の”TAI“が、買いたてのゲーム機を手に参戦することに。優しく導こうとするジョニと、健気ながら地雷を踏みまくるTAIのやり取りは白熱してゆく。
    しかし彼には、胸の内に隠した”ある秘密”があった。

    丘田ミイ子による骨太な試演会レポートや、PR漫画、岡田育のレビューから、口コミに火が付き、多くのリピーターを魅了したミュージカル、待望のアーカイブ再配信決定!

    演出・プロデュース・作詞:天羽尚吾
    脚本:相馬光
    作曲:海老原恒和
    キャスト:天羽尚吾・海老原恒和

    チケット

    視聴チケット:2000円

    以前アーカイブ配信をご購入いただいた方は、配信期間中に同じURLでご視聴いただけます。URLが不明の場合は、チケット申し込み時のお名前と「購入完了のお知らせ」メールに記載の申込番号をご記入の上、こちらまでお問い合わせください。

    売り上げの50%を、パレスチナで緊急対応中の『国境なき医師団』および『UNHCRウクライナ募金』に寄付します。
    (例:チケット1枚ご購入の場合、500円を国境なき医師団、500円をUNHCRウクライナ募金へ振り込みをいたします)

    国境なき医師団「緊急チーム」
    パレスチナおよび、イスラエルとパレスチナにおける衝突の影響を受ける近隣諸国での緊急援助を行う。また、すべての紛争当事者に無差別攻撃の即時停止を求めている。
    UNHCRウクライナ募金
    UNHCRはウクライナ国内や近隣諸国に留まり、破壊された家屋の修理や寒さから身を守るための毛布や暖房器具を含む救援物資を届けるなど、緊急支援にあたる。

    寄付が現地に届けられるのかは、寄付が活動地に届くまでNHK「寄付は届くの?イスラエルとハマスの衝突から1か月」をご参照ください。

    寄付が完了した際には、公式サイト・各種SNSにてご報告いたします。

    アーカイブ再配信への想い

    舞台セットの机の上に乗っている、ボトル、薬、スマートフォン、PC、ゲームコントローラー

    絶対に演劇の道しかない。と、生きたことはありません。
    掴みたいと思ったチャンスを逃したり、生活に無理が生じたり、何千回と考え直しています。
    けれど、この作品を上演するにあたって、力を貸してくれた方たち、観劇してくれた方たち、あまつさえ、感想を寄せてくれたり、知人・友人におすすめをしてくれた方たちと出会えたことは「あ、がんばってよかったんだ」と、心の底から感じることができました。

    再配信の前に観返したのですが、かなり勇気が必要でした。文化祭マジックだったらどうしよう。みたいな。
    でもちょっと客観的になって観たからこそ、やっぱりこの作品がこの時代に生まれて良かった、もっといろんな方に観て欲しい。と思えたので、共同制作者である海老原恒和と相馬光に提案して、この企画が決まりました。ま、もちろん、今演出するなら…という欲は沢山ありますが、それすら、上演したから、感想をもらえたから、成長したからこそ思えることで。

    そして、みなさまにご覧いただく際に、この作品を通じて人道支援ができたらと願い、チャリティー企画として再配信をすることを決意しました。日本や世界中で起きている災害や戦争は数え切れないほどですが、社会の戦場から逃げ出そうと、傷つき藻掻く、ジョニとTAIを描いた物語を通じての支援であることを考え、国境なき医師団とUNHCRへ売り上げの50%を寄付いたします。僕がチャリティー企画を立ち上げるのはひよっこですが、寄付先はどちらも歴史と実績のある活動を続けてきた団体ですから、安心してお預けください。

    健康に生活ができていることは、たくさんの方たちと支えあい、助けてあっているからこそ成り立っていると、日々実感しています。現在僕が住むロンドンは、よくストライキで電車が止まるのですが、電車はただの便利な乗り物じゃなくて、多くの力によって動いていることを想像するきっかけにもなります。

    どうか、あなたにも、健やかで、誰かのやさしさに思いを馳せられるような、安らかな時間が訪れますように。

    天羽尚吾

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  • 節約なのか、ささやかなのか、生活

    節約なのか、ささやかなのか、生活

    最近Twitterでお金の話ばっかりしてない?
    ね。ほんとうにそう。

    特にナウミュの予算組や管理、そしてきちんと大赤字。からの渡英による出費、来たら来たで円安が進み送金したくなかったので、先月なんて家賃以外の生活費は£300=54,000円で過ごした。割と節約を強いた日々でした。

    日本の贅沢方法はたくさん知っているから、あそこの飲み屋行きたいなとか、好きな古着屋さん、交際費やらスーパー銭湯、舞台、節約をしているつもりでも、なんだかんだ誘惑が多かった。でも最近、割といろんなことを手放しても大丈夫だと気が付いた。

    僕はお洒落さんで通っている。(ということにして)
    だけど、お洋服の所有欲はあまりない。
    誰かにスタイリングしてもらって、作品を作るような「衣装」は好きだけど、普段のお洒落は着心地の良さと精鋭のルーティンで大丈夫だし、何よりロンドンにはほとんど持ってこられなかった&持って帰れない。前は定期的にトークイベントとかもあって、晴れ着が欲しかったりしたけど、イベント用にはリースでもいいかもと思っちゃうし。

    ロンドンは外食費がとにかく高いので基本的に手を出さないようにしているし、栄養を満たす料理は作れてるから、食事もどうにか。舞台は惜しみなく観に行っているけど、一番安い席なら£15=2,800円で観られるから、日本より安いかも。高いのは高いけど。あとすごいのは、UKの図書館で電子書籍も借りられること。audible的なオーディオ本まで。流石に完璧に理解はできないけど、だいたいの意味はわかるから最近は「サピエンス全史」を聴いている。語り口が鮮やかで面白いけど、かなり漠然と論を繋げていたり、査読が足りていないジャンクな所もある本なので、僕には流し聴きが丁度良い。でもこういったベストセラーに染色体で分かつ「性(sex)」と社会生活を送るための「性別(gender)」は異なる。と、明確に書かれているのは助かる。とまあ、流石にもう少し余裕のある生活をしたいけど、なんというか「文化的な生活」を送れているなと感じる。

    この間の贅沢

    そんな時に竹田ダニエルさんの記事「生産性」に回収されない、ヘルシーなセルフケアとは?を読んだ。あれ、もしかしたら今の僕は、節約というよりも無理をせず、自分を大切にするためのセルフケアの一部なのではと。

    今はロンドンで時給制のウエイターをしているから、もっと多く働けばお金は手に入る。だけど、その分自分の時間が無くなってしまうから、まず多くを求めないことによって、自分の時間を確保して、思考したり学んだり、体験したり、ゆっくり寝たりできている。竹田ダニエルさんと同じく、僕もかなり寝る時間が必要で、基本的に8時間は寝たい。何度もショートスリーパーになれないか挑戦したけど、体調が悪くなるだけだった。悔しいけど、折り合いをつけるしかない。

    ただ、これは、資本主義についてや、お金を稼ぐことについて学べば、もう少しましになって、今はただ社会のシステムに組み込まれている死くずなだけかもしれないし、割と時給の高いバイトを見つけられたラッキーと肉体労働できる体力があるという特権の上での話だし、老後の資金どうすんだみたいなのを全無視している最中なので、このライフスタイルを誰にお勧めするわけでも、ずっと続けようと思わないんだけど、なんとかささやかに生きています。
    目指せ、少しは募金できる生活。あと、人間ドッグにも行きたい…歌のレッスンとかを受けようと思うとゴリッとお金が減るし、プロデュース公演やろうと思うとそれはそれでまた…うう……あれ?

  • ロンドン・オーディション奮闘記

    ロンドン・オーディション奮闘記

    俳優として仕事を得るには、選ばれなくてはならない。

    仕事として続けてゆくにあたって、かなりの負担だと思います。日本でもたくさんの、そう、本当に、数多のオーディションを受けていました。ロンドンで僕は完全なる無名で、演劇学校すら出ていないので、初心に返って、オーディションに応募しまくっています。

    日本では事務所経由でオーディションを受けることが主流ですが、イギリスではSpotlight、アメリカではactors accessBackstageなどのオーディションサイトに登録して応募することも多いです。他にも、Facebookのオーディション情報グループ(定期的に「僕はLA在住で~映画出たくて~(自撮り)」みたいな、それで仕事貰えるなら、もうゲットできてるんじゃ…?みたいな投稿がある)や、Instagramでの#opencall タグを注視、各プロダクションのサイトや劇場の募集要項を確認みたいな方法もありますし、やっぱりエージェント(芸能事務所のこと)にしか知らされないオーディションもあります。そんな中で最近受けたオーディションの話を。

    クルーズのダンサー

    オーディション終わりで汗だくの人
    オーディション終わりで汗だくの人

    クルーズというのは豪華客船のことで、大抵船内にホールや劇場があり、船上にいるので家賃を払わず、ダンサーやシンガーとしての経験を積めるメジャーな登竜門です。何故か書類が通ったので、UK到着3日目、時差ボケに悩まされながら受けたオーディション。キャスティングプロデューサーから、プロデューサーや振付師のにこやかな紹介があって、すぐにダンスの審査へ。その時点で衝撃を受けたのは、30数名のダンサーの中で、僕だけがアジア人だったこと。恐らくラテン系のダンサーも1人しかいませんでした。あくまでも推測に過ぎないですし、外見的特徴から人種を判断するのは差別の一歩目だとも思っているのですが、ロンドンの広告やドラマには、多様性のあるキャスティングを多く見かけたので、これも一つの側面なのかと驚きました。振り付けは割と簡単だったのですが、正確に振付を踊るというよりパッションに重きを置いているようで、割とバラバラで個性的でした。僕自身もしばらく踊っていなかったので、立派にバラバラの一員を担っておりました。

    一通り踊ったら廊下で10分くらい待ち、その場で名前を呼ばれた者だけが次の審査に進めるのですが、私の名前は呼ばれませんでした。残った人をチェックしていましたが、ダンスの技術が抜きん出ていた人というよりは、背が高い”所謂(typicalと言いたい)ハンサム”ばかり残っていて、ちょっと腑に落ちないな。と思いつつ会場を後に。でも、久しぶりに踊れて気持ちよかった。

    船上のミュージカル

    ガンを乗り越え結婚式を挙げるゲイカップルの広告
    こんな広告はいくらでも見かける

    次に書類審査が通ったのは、大手クルーズで上演されるミュージカルのアンサンブル。今度はオーディションを受けに行く前に、ビデオ審査があったので、指定された振付2つと課題曲を撮影して送付。毎度思うのですが、撮影する時のスタジオ代とかってなんなんでしょう。「金銭的不安がない人しか俳優になれないの?」「そうだよ!」と返答されている気分。でも審査側からしたら会場代って大きいだろうし、じっくり判断できるし…でも撮影環境の違いにどうしてもバイアスが…と、アレコレ思いつつスタジオを予約し、ビデオを送ったら本選へ。

    1週間後にオーディション会場へ行ったら、溢れんばかりの人。会場には200人くらい居たと思います。え、もう少しビデオオーディションで絞ろうよ。オーディション会場までの交通費もあるんだしさ(電車で3時間かけて来てるみたいな話も聞きました)

    まずは、バレエのアクロスフロアをぞろぞろと踊る。ひとりひとり撮影されるのですが、ビデオがうまく回らなかったようで、僕だけ2回挑戦させてもらい、2回目はピルエットが調子よく4回転決まってラッキーでした。数じゃない…数じゃないんだけどさ。バレエって正解がシンプルで好き。その後60人に絞られて、コンテンポラリーダンス、ジャズダンスの審査に移る。そしてまた何故か、有色人種(People of Color)は、僕と、男性アンサンブル枠で受けていたイーストアジア系の方しか居ませんでした。たまたま偶然が重なっただけかもしれないので、早合点しないようにしていますが、豪華客船という中流~富裕層向けのショウビズであることなど、通念含めて何かしらの暗黙があるのかもしれない。でもHPにはインクルーシブな会社と大々的に宣伝していたりしたんだけどな…と、そんなことばかり考えていたので、居心地悪く感じたりもしていました。

    最後のダンス審査で、あー振付間違えたなとか思いつつ、なんと名前が呼ばれ、最終歌唱審査の20人に選抜。控室に戻ると、みんながいそいそとドレスアップを始める。歌える楽譜を持ってきてねという指示はあったのですが、どうやら歌の審査の時は、ダンスの時とは違う役の雰囲気に合った・自分の違う一面を見せることができる服。で受けるのが通例らしい。知らなかったし、寒いからジャージで来ちゃったよ!

    そしてみんな、得意な曲を4~5曲ファイリングしていて“16-Bar”と呼ばれる、一番歌唱力を表せる16小節を用意していました。これからもミュージカルのオーディションを受けていくなら、雰囲気や音域の異なる曲を準備して16-Bar対策するのが、こっちのオーディション文化か。と面白かったです。日本だと課題曲があるか、1番くらいは歌い切らせてくれることが多いイメージ。でも16小節も聞けば分かるもんな。

    生ピアノで歌える~とドキドキしながら、歌い切って終了。実はその後も候補に残ったのですが、契約が1年間と長かったことと、折角UKビザあるのに海の上に?舞台も見れなくなっちゃう?家賃は無料だけど船上のWi-Fi使用料金そんなに高いの?毎日ジムに行くのが条件で、定期的に体型を測定されるだと?みたいなことが今の自分とは噛み合わず辞退しました。いつかこれを後悔するかもしれないけど、このオーディションを通過できたのは、とても自信になりました。船はさ、好きだけど、やっぱり陸の仕事がいいな…!アリエルの気持ちが更に分かってしまった。

    遂に陸のミュージカル

    楽屋口の写真
    あこがれだったStage Door(楽屋口)案外すぐに入れてしまった

    一度キャッツの書類審査が通って以降(スケジュールが合わず参加できなかった)ミュージカルの書類が通らなかったのでおずおずと応募を続けていたのですが、遂にお呼びがかかる。しかも劇場内のリハーサルスタジオでのオーディション!楽屋口から入場できるじゃん!と、喜んで出掛けました。

    同じくプロデューサーの挨拶から始まったのですが、他のオーディションよりずっと、目の前にいる僕たちにコミットしてくれている気がしました。特に振付師の女性が、個人の良さを引き出せるように、振付中にもそれぞれにアドバイスをしていたり、本審査の時に僕含め全員が床が滑って転んでしまった回があったのですが、すぐに止めてモップ掛けをして、セカンドチャンスをくれたり。とても良い空気だった。5種類のダンス審査があり、振付を覚えるのがあまり得意ではない僕はなかなかに苦労しながら挑みましたが、最終ダンス審査で落選してしまいました。しかし、本当に周りのダンサーたちのダイナミクスさやパワフルさが素晴らしくて「いやいや、この役は君たちがやってくれよ。僕は観てたい!」とすら思っていたので割と満足。それこそ「この後ソワレの公演があって」みたいな人たちも居たので、肩を並べてオーディションを受けられたことも誇らしい。

    この作品は元々、アフリカ系やアジアン系のキャストを起用してきた歴史もあり、オーディション会場にも色んな国・ルーツのダンサーが集まっていました。キャスティングの多様性は、社会的なイメージを変える力があり、選択肢や野心、平等なチャンスを得るために大事だと思っています。もちろんそれが、僕が役をゲットできるかどうかの未来にも関わっているという実利的な希望も含めて。著名な映画の多様性を調査した統計では「スクリーンに登場するアジア系の割合は、 2007年の3.4%から、2022年には15.9%へと上昇した」という研究結果もあり、少なくともハリウッドは変化しつつあり、ステレオタイプな性別描写の一部はイギリスの広告基準協議会によって禁止されています。だからこそ、流石にその基準があるであろうカンパニーのオーディションに参加できたのは幸せでした。

    選ぶ側

    本当に、ミュージカルの役をゲットしたいなら、ダンスや英語での歌唱にもっと打ち込んで、死ぬ気で一つ一つのチャンスを取りに行ってやっとスタートラインに立てるくらいだと思うのですが、どうしても今は「こんなに素晴らしいダンサーがいるなら、彼らを演出できるようになりたい」という思いも強くて、ちょっと宙ぶらりんです。いや勿論、仕事をゲットできたら素晴らしい経験になるし、お給料もバイトより良いし、アーティストビザを申請できるきっかけになったりするとも思うので、是非参加したい。という願いもあるんです。だけど、宙ぶらりんだからこそ、オーディションの結果に一喜一憂するというよりは、異なる視点での発見があったりするので、それもまた貴重だなと。これから受けたいダンスのクラスやボイトレの先生もいるので、技術も磨きつつ、オファーを断った歴史を胸に「僕だって選ぶ側なんだからね」という精神を忘れずに励んでいきたいと思います。

    イギリス生活御用達アプリ

    イギリス生活や海外生活で使うあれこれには、友達紹介ができることが多く、もし下記のリンクを使っていただけたら、お互いに特典があるのでとても嬉しいです。ちなみに、各サイトやアプリの使い方は「○○ 使い方」で素晴らしい記事たちが出てきます。

    WISE:安くて分かりやすい手数料で海外送金できる。海外生活必須なアプリ。デビットカードも作れるので、海外旅行の際にもお勧めです。 紹介リンク経由で75,000円分の送金手数料が無料になります。

    MONZO:イギリス在住者向けの無料で作れるオンラインバンクです。給料の振込口座として使うと1日早くお給料を受け取ることができます。お互いに£10もらえます。

    giffgaff:日本に無料でSIMを送ることができます。そのため現地に着いた瞬間からスマホを使えるので安心しました。このリンクからの申し込みで、お互いに£5獲得できます。

    もし、この記事書き手の天羽尚吾を知らないよ~という方がいましたら、作品をご覧いただいたり、InstagramBlueskyをフォローしてもらえたら嬉しいです!質問もいつでもお寄せください。

  • 食べる側でいさせて

    食べる側でいさせて

    ロンドンでのアルバイト先では、ウエイターやフロントスタッフの誰かが、朝ごはんを作るルーティンがある。先日、僕の番が回ってきて13人分の朝ご飯を作った。慣れていないキッチンで、それぞれの食の好みも分からず何とかこしらえた「ベーコン・パン・ゆで卵・ブロッコリーとアボカドのサラダ」を目の前にしたとき、僕は料理を提供するという事を恐れ、気が遠くなるほどのストレスを感じるんだと知った。

    10年ほど料理を続けてきた。

    冷蔵庫の中身やお店の特売から献立を考えることができるし、予算を抑えつつ栄養があり、満足感のある食事を作ることができる。ルームシェアが長かったので、手料理をふるまうことも多かったし、友達を招いてタコライスパーティーをしたこともある。けれど僕は未だに、スケールや計量カップを使って「レシピ通りに」作らないと安心できない。美味しくないものが出来上がって食べ物を粗末にしてしまう可能性、食べた人が気に入らなかったら…と考えると、震えてしまう。

    僕の作る料理は、お洒落ではなくとも「おいしい」の部類に入ると思うし、なんなら「料理は得意」と言ったこともある。でもあの朝ごはんを作った時に、料理はとても苦手な作業なんだと気が付いた。


    すごく良かったと思う。僕は割りと色々なことを「できる」と過信して、実際できるところまで努力をしてしまうから、苦手なんだ。と諦められたのは良かった。自分の信条にそんなに関係もないし。ちょっと得意だとすら思っていたから、エキサイティングさとか、彩りの良さとか、応用レベルまで手を出していたけど、これから人に料理を作る機会があったら、食べられるだろう料理くらいしか作れませんよ、と前置きしよう。

    自分一人のために作るロンドンごはんは、選択肢が少ない分、楽ちん。レタスやらトマトやらほうれん草やらで、サラダを作って、オートミールに冷凍フルーツと豆乳をぶち込むか、全粒粉のパンにフィラデルフィアのクリームチーズ(こっちでは安い)を塗って食べる。朝ごはんみたいなご飯をいつでも。日本食が恋しくなったら、お味噌汁か、何かを醤油の炒めもの、時間があればパスタや簡単な煮込み料理を作る。何ならこないだピザにお味噌汁を合わせた。なーんだ。僕にはこれでいいのか。てかそもそも手作業全般が苦手じゃん

    まんべんなくいろんな献立を考えたり、美味しそうに写真を撮るのは、僕の責務ではなかったみたい。
    とても肩の力が抜けた。しかも、10年間必死に向き合ってきたので、料理してくれる人への感謝と、味への造詣の深さ、そしてそれを表現する術は整っている。

    ということで、反応の薄い人や、食事を残す人に作るのに飽きた、そこのあなた。
    僕に食べさせてください。とても辛いものと、スイカとメロン以外は大体好きです。それに、美味しく食べるために間食は我慢しますよん。